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end of medium 02


Filed under: texts(R-18) — gnax @ 12th February, 2008 08:00 Comments Off

「サーフ…」
醜態を晒してしまった恥ずかしさと、自分を蔑ろにされた寂しさと怒りがヒートの頭を駆け巡った。
顔を合わせた瞬間に殴り殺してやりたかったけれど、自分の手で慰めた位では飢えは治まらない。口に含んだ血液が思考能力を奪い、完全な飢えへとヒートをシフトさせる。
「…来てたんなら…言えよ…」
ヒートはサーフの腰に抱き付き、スーツを力尽くで剥いでから、身体をベッドへ転がした。

「ヒート待てっ…。治療させろ」
滴る血が自分のインナーに染み込むのを感じ、サーフは慌てて声を荒げる。
「いや、だ…はやく…来いよ…」
「自分がどういう状態か判ってるのか!死ぬぞ!…頼むから動くな」
「放っといたのはお前だろうがっ…」
「それは…」
「俺が死んだら、他のヤツが前線に出りゃいいんだろーっ!」

暴れるヒートを抑え付けて、サーフは覚えたばかりのディアを唱えた。傷が深くて一回では到底治らない。何より、鋭利な刃物で一直線に切られた筈の傷口が、引っ掻き回された様な無残なものに変わっている。指でも突っ込んで掻き回したか。これでは治りも遅いだろう。
再度詠唱すると、顔面蒼白で人形のようだったヒートの顔に血の気が戻ってきた。もっと治療したいが、慣れない回復魔法ではこれが精一杯だ。

「…余計な事しやがってっ…」
「ヒート…自分の血は舐めるな…癖になるぞ」
「俺が何しようが勝手だろ!」

元気が出てきたのか、ヒートの声が大きくなる。

「勝手じゃない。これはリーダーからの命令だ。負傷する度にこんな状態に陥ったら、身体が幾つあっても足りなくなる」
「足りなくなったら、誰かを補充すりゃいい」
「無茶を言うな。エンブリオンは少数精鋭部隊だ」
「けっ、置いてったくせに!」
「そんな怪我で戦ったら死ぬ」
「…結局は、効率かよ。そりゃ動けないヤツは要らないよな」
「ヒート…さっきから何の話をしているんだ。理解出来ない」
「もういい…!」
叫ぶ度に傷口に響くのか、怒りがそうさせるのか、ヒートは何度も顔を歪める。
壁や床に血が飛び散っていて、怒るヒートの顔も血だらけだ。濡らした布で拭いてやろうと、サーフはベッドから降りようとした。
「おい、待てよサーフ」
ヒートが腕を引く。
「何だ」
「勿体無いから、お前が舐めろ」
サーフの口元に、赤く染まったヒートの指が差し出された。
「…なっ…」
「イヤなら俺が自分で舐めるからな」
ヒートは鼻で笑った。指先に、乾きかけた血液が黒光りしている。
サーフは溜息をつき、無言で指を咥えた。
「んん…」
ざらついた血を舐めると、ヒートが鼻に掛かった気持ち良さそうな声を上げる。
濃い錆の味に精液が混じっていた。
「うう、ンン…ん…」
爪と指の間にこびりついた血を舌の先でこそげ取ると、声がワントーン高くなる。
真っ赤に染まったシーツの上で、ヒートの足がびくびくと震えた。

血の匂いとヒートの匂いが、サーフの冷静な判断力を一瞬奪う。

サーフは指を吐き出し、何かに操られるようにヒートの脇腹を掴んだ。
「んうっ、…ア!」
無我夢中で傷口に舌を這わせる。もう新しい出血は無いが、飢えた舌には十分過ぎるほどの新鮮な血が滴っている。
たったさっき、敵の肉体を屠り、喰らったばかりなのに、サーフは酷い喉の渇きを覚えていた。
「や…っ、ううっ、っうぅ…」
嗚咽に近い喘ぎ声が聞こえる。
勃ち切ったペニスをサーフの手が擦った。
「は、あ、サーフ…」
ヒートは腕を伸ばし、サーフの身体を抱き寄せようとする。サーフが上半身を寄せると、ヒートはありったけの力でサーフの肩口に噛み付いた。
「かはっ…!ヒートッ…!待て…ッ」
痛みで正気を取り戻したサーフが抵抗する。
滲む血を啜るヒートが毒づいた。
「んだよ…お前だって…同じコトしてただろっ…」
「…ちがう…それは…俺じゃ…ない…」
サーフは肩に吸い付くヒートを引き剥がし、血の残った唇で口付けた。
「…ふっ…ううん」
お互いの血が唾液に溶ける。
口付けたまま、ヒートはベッドの端に目をやった。
マガジンを引き抜かれ、自分の血と精に汚されたサーフの銃。
銃を手に取り、ひくつくアヌスに押し当てた。
「ふっ…ぐううっ…!」
強引に挿入すると、どこかが切れたのか、アヌスが生暖かく濡れてくる。ひり付く様な、裂ける痛みだ。だが、痛さにはとうに慣れてしまった。今はただ奥に欲しくて仕方がない。
「ヒート…!何してるんだ…」
血の助けを借りてトリガーガードの位置まで挿し込む。尖ったその先がちょうど会陰部に当たって、ヒートは甘い悲鳴を上げた。
「イー…ッ!」
位置を変えて、フロントサイトでごりごりと前立腺を刺激する。
「ヒァッ…ああっ…!」
もっと奥に欲しいのに、構造上、力一杯押し込んでもこれ以上は挿入らない。
「やめろ…ヒート…俺は…」
「へっ…お前なんかっ…いらねえっ…よっ…」
無性に悔しくて、口から嘘が漏れる。

「俺は違う…!」
サーフは銃を持つヒートの手を掴み、叫んだ。

「俺はヒートでなきゃ嫌だ…!」

ヒートの動きが止まる。サーフはすかさず銃を抜き取り、覆い被さった。
抜かれた痛みに眉を顰めるヒートへ囁く。
「好きで置いていった訳じゃない」
「嘘つけよ…俺なんかどうでもいいくせに…」
(ちがう…嘘をついているのは…)
何かを認めてしまいそうで、ヒートは唇を噛んだ。
「もうやめてくれ…こんなの…」
サーフは小さく呟き、顎や首筋に、唇が触れるだけの柔らかい口付けを繰り返した。
「ああ?何をだよ」
ヒートの足の裏が、サーフの下半身を蹴る。
「ここ反応してんじゃねえの?」
インナーを押し上げて硬くそそり立っているものが見えた。
「挿入れたいんだろ。さっさとやれよ!」
爪先で亀頭を突付いて、ヒートは煽る。
「さっき、俺のカラダ喰おうとしただろ?あれが本当のお前なんだろ?正直になれよ」
「違う…」
「…どう、違うんだよ…!んな、顔…すんなよ…っ!」
サーフはヒートの頬の涙を舐め取ってから、指でそっとアヌスの表面を撫でた。
「確かに、挿入れたい、けれど」
「けど、何だよ!」
「これ以上怪我させられない」
寂しげなのに、微笑んでいる気もする。ヒートには判断しがたい表情だ。
「…っだよ、それ…っ!やりたいならやれよ…んな…優しく…すんな…」
(畜生…ワケわかんねえ…!今更そんな顔しやがって…!)
語尾が鼻声になる。涙が喉に入って咳き込むと、サーフが背中をさすってきた。
「頼むから…泣かないでくれ…」
「泣いてなんかっ…」
「じゃあ聞く。ヒート。君は挿入れて欲しいのか、それとも挿入れて欲しくないのか」
「…は?お前が…」
「俺はヒートが欲しいけれど、」
「なら突っ込めばいいだろうが」
「…でも、ヒートが嫌ならそうしない」
「なっ…」
寝たいから寝る、喰いたいから喰う。それがアートマの与えた力と意思ではなかったのか。したいのにしない、とは一体何なのだろう?
「べ、別に…俺、は…」
「俺はいつだってヒートが欲しいけれど、それでヒートが傷付くのは…嫌だ」
暗い銀色の目で見詰められる。
「だから、ヒート次第だ」
「ずりぃ…。なら、俺だって…サーフ次第だっ…」
売り言葉に買い言葉で、ヒートは返す。
「それが君の意思か」
「そ、そうだ。何か文句あんのか」
「後悔するなよ」
言うなり、限界まで硬くなったサーフのペニスがアヌスにあてられた。
(なんだよっ…サーフだって、ギリギリのくせに、何を痩せ我慢してんだよ…!?)
混乱した頭で何か言おうとしたが、乳首を指で捏ねられて頭が真っ白になる。
「んうっ、あっ…」
「声、もっと出して…。やっぱり、ヒートがいい…ずっと、どこにでも、連れて行きたい…」
「…ア、んふ…っ、…な、ならそうすりゃいいだろっ…!」
「いいのか?」
サーフの舌が耳朶を舐める。
「そうしたいなら、そうしろ、よっ…ああっ…」
「君がそれを望むなら…」
胸を弄ぶ手が下腹部に下り、緩急をつけてペニスを扱く。
「だっ、はっ、だからっ、俺はっ、最初っからっ…!」
サーフは薄く笑って、ヒートの額に口付けた。

「ヒート。君が死んでも引き摺って連れて行く。覚悟しろ」

「ひぐぅっ…やあああああ!」
熱い塊が、肉を引き千切って押し込まれる。擦られる内壁が、赤く生臭い匂いでぬめっていく。
「あ、あ、サーフ…!」
サーフは何も言わず、獣の様に激しく腰を動かす。
「イ、いた…いっ…」
返される言葉は無い。
乱暴に突かれるうちに、身体が慣れてきて、ヒートは自分でも腰を動かしながら喘いだ。悦い所を抉られると、血液とは違うもので中が濡れてきて、身体がどこかへ飛んでいきそうになる。
「サーフ…サーフ…!」
呼びかける声が部屋に響き、ヒートは上り詰めると同時に気を失った。

********************************

「なにやってんだ。さっさと起きろ」
ヒートはベッド脇に座り、大の字になって動かないサーフに呼び掛けた。
「…もう少し…待ってくれ」
「精鋭部隊にボスがいないなんて間抜けだぜ。俺が新しいボスになってやろうか?」
「折角…他のスキルを後回しにしてディアを取ったのに…」
連戦の最中、仲間の反対を押し切って強行に回復スキルを取得したサーフは、ヒートの元に来た時点で精神力をかなり消耗していた。その上に初めて使うスキルを連発しなければならず、気力を使い果たして最後は理性も失い、挙句に事に及んでしまった。
終わってからもう一度ヒートにディアをかけたので、今は立ち上がる体力すらも残っていない。
「バカじゃねーの?」
「バカはそっちだ…俺は…最初から、ヒートに怪我なんて…させたくなくて…」
「じゃあ切れてるトコに突っ込むなよ!」

『…ああ、あれは不可抗力でしょう。気持ち良くなかったの?僕はヒートがいいって言ったじゃない。…全くもう…なんで昔から君は…口で言わないと判らないのかな…』

「フカコウリョク?ムカシ?…なんだ、その言葉」
「え…?あれ?な、なんだろう。今口から出て来た…」
「頭打ったんじゃねえのか。…お…?」
ヒートが手をかざし、サーフにディアを唱えた。
「お、俺…覚えた…!たったさっき…!」
「待ったっ!ヒート、どういう事だ」
「カルマ…俺の…まだ少し足りてなかった筈だ…。別に何も喰ってないのに…」
「覚えた理由は、判らなくも無い」
サーフが自分の肩に視線を落とす。
「う…」
ヒートは気まずそうな顔をした。
「そんな訳で、そのディアは可能な限り俺に使うように」
「め、命令かよ」
「俺も覚えたんだからお互いやれば問題は無い。行くぞ」
ベッドを下りたサーフは、ヒートの手を握る。
「ところで俺のハンドガンは…」
「あ、悪いけど暫く使わせてくれ。もしどうしても嫌なら、」
「別にいいぜ」
ヒートが素直に了承したので、サーフは驚いて振り向いた。

『…俺の代わりに持って行ったんなら、それでいい…。ずっと、持ってろ…』

サーフはきょとんとした顔でヒートを見詰めたが、すぐに頷いた。
「うん。…大切にする」
「もうギリメカラには踏ませるなよ」
「努力するよ」
ハンドガンがサーフの指でくるくると回される。
(これで良かったんだ)
ヒートはその姿に満足して立ち上がった。

 

 

 

 

 

 

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